夏季換毛期来臨、家に「毛の子」がいるならどう乗り切る

気温が徐々に上がり、夏の訪れを肌で感じるこの季節。人間にとっては薄着で過ごしやすい季節ですが、ペットにとっては「換毛期」という大きな変化の時期でもあります。特に犬や猫などの毛に覆われた動物たちは、冬毛から夏毛へと生え変わるため、家の中が毛だらけになることもしばしば。

「掃除が追いつかない」「洋服に毛がついて困る」といった悩みを抱える飼い主さんも少なくありません。本記事では、夏の換毛期におけるペットとの快適な暮らし方、そして負担を減らすための工夫について詳しくご紹介します。

換毛期とは？どんなタイミングで訪れるのか

ペットの換毛期は主に春と秋の年2回ありますが、特に夏前は抜け毛の量が増える傾向にあります。冬の寒さをしのぐために生えそろった密な毛が、気温の上昇とともに抜け落ち、通気性の良い毛へと生え変わっていくのです。

この時期、短毛種であっても大量の毛が抜けることがあり、室内の掃除やブラッシングの頻度も自然と増えていきます。

換毛期に最も効果的なのが、こまめなブラッシングです。毎日行うことで抜け毛を事前に除去できるため、部屋中に毛が舞うのを防ぐことができます。また、ブラッシングは皮膚の血行を促進する作用もあり、健康管理にもつながります。

特に注意したいのが、毛が絡まりやすい長毛種や、ダブルコートと呼ばれる二層構造の毛を持つ犬種。適切な道具を使い、無理なく優しくブラッシングしてあげましょう。

部屋に落ちた毛は、早めに掃除することが鉄則です。床に落ちてすぐの毛は掃除機やコロコロで簡単に取れますが、時間が経つと家具の下や隙間に入り込み、取れにくくなります。

掃除の際は、風が通る前（例えば朝の窓を開ける前）に済ませると、毛が空中に舞うのを防ぐことができます。掃除機に加えて、静電気を利用したモップなども併用すると効率的です。

換毛期のペットは皮膚がムレやすく、皮膚トラブルを起こすリスクも高まります。そこでおすすめしたいのが、定期的なトリミングです。特にお腹や足回りなど、毛が密集して熱がこもりやすい部位は、清潔に保つことが健康維持に大きく貢献します。

最近では、コードレスペットバリカンのように「吸引・カット」が一体化した家庭用機器も登場しており、抜け毛の散らばりを防ぎながら自宅で簡単にケアができます。サロンに行く時間が取れない方や、ペットが外出を嫌がる場合にも便利です。

換毛期は体の中でも変化が起こっており、疲れやすくなる子もいます。被毛の生え変わりはエネルギーを使うため、食欲や元気が落ちることもあるのです。そういった時は無理に運動させず、涼しく静かな場所でしっかり休ませてあげましょう。

また、水分補給が不十分になると皮膚や毛の質にも悪影響を及ぼすため、常に新鮮な水が飲める環境を整えておくことも大切です。

夏の換毛期は、ペットにとっても飼い主にとっても少し手間が増える時期ですが、日頃のケアや環境整備によって、その負担を大きく軽減することができます。

こまめなブラッシングや掃除、必要に応じたトリミングなどを上手に取り入れながら、大切な「毛の子」とともに快適な夏を過ごしましょう。ちょっとした気配りが、ペットとの絆をさらに深めるきっかけになるはずです。